美容師にとって必要なマナーとは?

 

美容師と言えば技術職のイメージがあり、実際に誰にでもできる仕事なわけではありません。しかし技術が必要な反面、お客様と密に接する職業でもあるため、多くの方から指名される美容師になるためには大切にしたいマナーがいくつかあります。美容師に必要なマナーってどんなこと!? というわけで、重要なポイントをいくつか見ていきましょう。

一番大切なのは『挨拶』

接客業において、一番大切なマナーは『挨拶』をしっかりすることだと言えます。家族でも友達でも職場でも、挨拶は人間関係を円滑に運ぶために重要なアイテムですよね。それは美容師であっても変わりません。

挨拶をするなんて当たり前!と思うかもしれませんが、お客様はいろんな思いを抱えてお店に来ます。楽しい気分、ワクワクした気分で来てくれるなら、自分が思う丁寧な挨拶をすれば問題ないかもしれません。でも、もし落ち込んだり、緊張したり、嫌なことがある中で美容室に来ていたとしたらどうでしょう。自分のちょっとした態度で嫌な思いをさせてしまう可能性もあります。入口から離れた場所にいるときでも、自分が担当するお客様じゃなかったとしても、目を合わせて気持ち良く挨拶するようにしてください。

そこまで考えて接客しなきゃいけないのか、と思うかもしれません。しかし、明るい笑顔で挨拶するだけで誰かの心を軽くできるのであれば、そして自分に良いイメージを抱いてもらえるのであれば、それを実践しない手はないですよね。忙しい中でも丁寧な挨拶を心がけるだけで、格段に印象は良くなります。

リピーターへの言葉遣いほど気をつけて!

繰り返し通ってくれるお客様とは、かなりフランクに話ができるほど親しくなることもあります。そうするとプライベートな話をしたりもするでしょうし、相手も心を開き悩み事を相談されたりすることもあると思います。そう、そんな時こそ要注意なのです。

仲良くなってたくさん話をするようになれば、自然と言葉遣いが砕けてくるのが人間というものですよね。確かに、気さくな感じがして良い、とおっしゃるお客様も存在します。しかし、どれだけ心を開いていても、自分は客だし相手は美容師、お金を払ってサービスを受けに来ていると感じる方が少なくないのも事実です。必要以上に砕けた話し方をすることで、お客様に嫌な思いをさせないよう気をつけましょう。

また、お店の規模にもよりますが、複数のお客様が同時に美容室内にいる場合もあります。まるで友達同士のような姿を見て微笑ましく感じてくれるなら良いですが、あの美容師は慣れ慣れしい感じなのか…とか、あっちで盛り上がっててなんとなく居づらいなぁ…なんて思われてしまうと、どれだけ良いサービスを提供していても損をします。

何度も顔を合わせているからと言って、相手は友達ではありません。最低限、きちんとした言葉遣いを持って接することも、美容師にとっての重要なマナーだと覚えておいてください。

電話対応は気を抜かないこと

サービス内容の問い合わせや予約に関してなど、美容師にも電話対応の業務が発生します。たとえ仕事で電話に出る経験がない、または少なかったとしても、常識の範囲内で受け答えをしていれば問題になることはありません。

ただ、忙しいときやお店にいるお客様の対応と電話が重なったときなど、自分の余裕が少ないタイミングでの電話対応には要注意です。

  • そっけない言い方になっていませんか?
  • 早口でまくし立ててしまっていませんか?
  • 保留や受話器を置くとき、言葉を遮るようになっていませんか?

特に初めて予約をしようと思って電話をしたお客様なら、電話対応が良くないだけで違う美容室に行ってしまう危険性すらあります。顔が見えないからこそ、できる限り丁寧に接するよう心がけましょう。

所作や身なりに問題はないですか?

美容師は人前に出て接客をする仕事です。しかも、見た目を整えるための仕事というイメージが強くあります。ですから、美容師自身の所作や身なりも、やはりそれなりに清潔感がありキレイにしている方が好印象です。

美容室にはさまざまなお客様が訪れます。お店の雰囲気や服務規程にもよりますが、独創的過ぎる服装より、シンプルで洗練されたオシャレな服装のほうが、多くのお客様に受け入れられることでしょう。他人の髪を整えるのに、自分の髪はバサバサだったり、色ムラができていたりすれば、お客様はこの人にまかせて大丈夫かなぁ、と不安になります。ある程度の身なりは社会人としてのマナーです。タバコやコーヒーなど、口臭が付きやすいものが好きな方はしっかりケアしましょう。

また、美容室には大きな鏡があります。美容師自身もお客様の後ろに立つのでわかると思いますが、雑誌を読んでいたお客様がふと顔を上げたとき、ちょっとの待ち時間で退屈したときなど、案外その鏡を通して美容師や店内の様子が目に入るものです。ハサミを置くとき、タオルをかけるとき、お客様を出迎えるときなど、大雑把に動くことで乱暴に感じさせてしまう場合もあるので、マナーとして1つ1つの所作にも注意したいですね。

お客様目線での対応も1つのマナー

美容室に来るお客様は、当然ながら年齢や性別がバラバラです。初めて美容室に来た人や、小さなお子さんの場合、あまり畏まって対応してしまうと、緊張から自分の希望を伝えられなくなってしまうかもしれません。もちろんどんな時でも丁寧で真摯な接客を行うのは最低限として、その上で相手に合わせた、相手目線での対応も美容師にとって大切なマナーです。

難しいことですが、端的に言うと『空気を読んで』対応してください。これは、自分自身に置き換えて考えてみればわかるかと思います。ゆっくり商品を見たいときに何度も店員さんが話しかけてくると嫌ですよね。一般的に、お客様が不快に思う言動は、接客業において適切なマナーだとは言えません。

また、あまりネガティブな言葉を使わないというのもポイントです。髪が痛んでると悩むお客様でも、「そうですね! 痛んでますね!」なんて言われて良い気持ちなる人はいないでしょう。「こうすれば回復します! 大丈夫ですよ!」とポジティブに置き換えての受け答えなら、お客様の気持ちも上がります。

まとめ

マナーというのは、相手をいかに不快にさせないかを考えることが重要です。しっかり笑顔で挨拶したり、丁寧な電話対応、節度を持った言葉遣いを心がけるだけでお店のイメージも、自分自身のイメージも格段に良くなります。

もし、相手の雰囲気や空気感を読むのが苦手、そもそも実はおしゃべりが苦手という美容師さんは、まず自分がされて嬉しかった接客を思い出してみましょう。勉強のため、接客マナーで評判の良いお店に行ってみるのもありですね。
ぜひお客様に愛されるマナーある美容師さんを目指していきましょう!

関連記事一覧